『存在のない子供たち』を観てきました

存在のない子供たち ★★★★★

公式サイト:http://sonzai-movie.jp/

中東レバノンの貧困層の家庭に生まれた12歳のゼイン。両親が出生届を提出しなかったため、自分の誕生日も知らないし学校に通うこともできません。
兄妹たちと一緒に路上で物を売って家計を助けるという過酷な日々を過ごしています。

ある日起こった大きな事件をきっかけにゼインは家を飛び出してしまうのですが、そこでもさらに過酷な現実を目の当たりにします。

作中では、ゼイン以外にも何人かの「存在しない子供」が登場します。彼らはには、十分な食事や教育、治療など当然与えられるべき権利が与えられていません。
そして、運命に翻弄されるゼインは、紆余曲折を経て最終的に自分の両親を訴えるという行動に出ます。理由は「世話をする気もないのに自分を生んだから」・・・

この作品の特筆すべき点は、主人公のゼインをはじめとして主要キャストが、実際に作中と同じような境遇に置かれている人たちが抜擢されていること。
そのことが、本作が放つメッセージの「リアルさ」より一層重いものにしているような気がします。