『Girl』を観てきました

Girl ★★★★☆

公式サイト:http://girl-movie.com/

トランスジェンダーの主人公ララは、バレリーナを目指すべく有名なバレエ学校に通う一方で、女の体を手に入れるべくホルモン治療にも取り組みます。

弱冠16歳でありながらどこか達観したような落ち着いた佇まいを備えたララですが、そう見えるのは極度に自分を抑え込んでいるから。
バレリーナになりたい・女の体になりたい、という思いが異常なまでに強い一方で、それを全く表に出さずに抑え込んでしまうため、彼女の周辺の人々(父親、ドクター、バレエの先生・・・)も色々と対応に苦慮する様子がうかがえます。

ララは、周辺の人々には非常に恵まれています。理解のある父親、極力ララの体に負担をかけないよう性転換を進めるべく様々な提案をしてくれるドクター、そして厳しくもララの才能を開花させようと親身に指導してくれるバレエの先生・・・
こんなに恵まれた環境にありながら、必ずしもララ本人は幸せそうに見えない(むしろ苦しんでいる)ことがもどかしいところです。

そもそもバレエの特訓と女性への性転換を同時期に行おうとしたのが、16歳の体には無理があったとしか思えません。


では、どうするのが本人にとって最もハッピーだったのか?
誰も答えを見つけることはできないですが、ラストでララが何か吹っ切れたような表情で颯爽と歩くシーンを見て、結局正しい答えなんて本人含めて誰も分からないのだし、その時との時で少しでも自分にとって正しい選択するしかないのかなぁ、というのが鑑賞後に真っ先に感じたことでした。