『戦略参謀の仕事――プロフェッショナル人材になる79のアドバイス』読了

組織のトップに近いポジションでトップの補佐役を務める人、社内の全部署を横断的に見る必要のある部門で業務にあたっている等は特に必読かもしれません。
企業におけるいわゆる「ナンバー2」としての責務を全うし組織を成長させるだけでなく、自身のビジネススキルを磨いて市場価値を上げるための「心得」が詰まっています。

本書のあらゆるところに「PDCA」という単語が登場します。昨今はPDCA自体に懐疑的な論調も目にしますが、多くの場合は正しい作法に則ったPDCAを廻していないことが良く分かります。

フレームワークなどのテクニカルな面だけでなく、人間の「業」に対処するための心得のようなものにも言及しており、実に幅広い内容となっています。

以下は個人的な備忘録です。
・ファクトベースの現状把握と可視化・意味合い抽出がトップの判断精度を高める
・市場と接する現場からのフィードバックが大事
・「思惑」の蔓延は組織を衰退化させる
・企画にも作法あり、ただしその「中身」こそ重要
・自ら手を動かして真摯に考え抜く経験がビジネスの腕を上げる
・社内の神経系統づくり(トップ←→現場)
・現場からの信頼関係がなければ改革は頓挫する
・相手へのリスペクトの欠如が「抵抗勢力」を生む
・未知の領域を進む際にPDCAが足元に明かりを灯していく
・参謀役に求められるのは、五感をとおして現場を知り、問題があったときに「誰よりも早く経営目線で最も的確な仮設を思いつくことのできる」能力