『インフォメーション・ガバナンス 企業が扱う情報管理のすべて』読了

企業が情報を利活用する上でのポイントとして、大きく法規制への対応と業務に効果的に活用するための適切な管理、という2つの観点があります。
この2つの観点の課題をバランス良く解決しつつ「情報」という資産の持つ価値を最大化することを「情報マネジメント」と呼びます。
法規制への対応としては、具体的には個人情報保護法、不正競争防止法、インサイダー取引規制、ディスカバリー制度、GDPRなどがあります。
それぞれの法規制に対応するための留意点や安全管理措置については、本書の第2章〜第6章が参考になると思います。

一方、情報マネジメントの面で日本企業が直面する問題点として、(1)システム・インフラの側面、(2)文化的な側面、(3)法整備の側面という、3つの側面から切り込んでいる点も非常に興味深いです。

本書では、NISTフレームワークを始めとする国際的な標準の概要に関する解説もあり、グローバルな視点で情報マネジメントを推進する上でのひとつの指針になるのではないでしょうか。