『FAKE』を観てきました

FAKE ★★★★★

公式サイト:http://www.fakemovie.jp/

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監督:森達也、出演:佐村河内守 というドキュメンタリー。2014年初めにゴーストライター問題で渦中にあった音楽家・佐村河内守氏の素顔に迫ります。
まあ、自分はテレビをほとんど観ないことから、個人的には例の騒動には全く興味がなく佐村河内氏についても顔を見たことがある程度の認識しかありませんでした。(当時Twitterでネタになったのは良く覚えてますw)
本作を観た感想を先に述べると「猫かわいい」に尽きます(笑)。冗談はさておき、例の騒動に全く興味が無かった私でも、二人のやり取り(奥さんの手話を間に挟んでですが)に思わず聞き入ってしまいました。それはドキュメンタリーならではのリアルな感情を交えた会話だけでなく、この事件の真相に徐々に迫っていく展開がそうさせたのだと思います。

ウケる番組さえ創れれば信念など何も無いテレビ局とそのような番組を観たがっている視聴者、センセーショナルな記事が書ければ裏取りなどどうでも良い週刊誌など、周りを取り巻く様々な欲望が一人の人間を不当(あえてこの表現を用います)に追い込んできたことが良く分かります。
視聴者に分かりやすくするために「ゴーストライター」という安易な言葉を使うことの危険性。そしてそれが肝心な論点(丸投げなのか共同制作なのか)を隠してしまうのです。

潮目が変わるのは、ある海外のジャーナリストによるインタビューから。この取材を通じて、本当の論点は何なのか、佐村河内氏が今やらなければならないこと・証明しなければならないことは何なのか、が明らかになります。ここから佐村河内氏はある行動に出ます。そして衝撃のラストへ・・・

ぜひ多くの人に観てほしいドキュメンタリーです。

(終)