『マイケル・ムーアの世界侵略のススメ』を観てきました

マイケル・ムーアの世界侵略のススメ ★★★★★
公式サイト:http://sekai-shinryaku.jp/

sekaiseifuku.jpg

お馴染みマイケル・ムーア監督が「アメリカに無いものを探しに」ヨーロッパの各国を訪問(侵略?)する企画モノです。
イタリアからは労働者の充実した福利厚生を、フランスからはいわゆる食育を、フィンランドからは先進的な教育制度を、ノルウェーからは常識外の刑務所制度を、アイスランドからは女性が活躍できる社会制度を、そしてドイツからは自国の歴史(要するにナチスのホロコースト)を直視する教育を、といった具合です。
最初の方(イタリア・フランス・ノルウェーあたり)はヨーロッパ珍道中といった風情で面白おかしく観れるのですが、途中のドイツあたりからにわかにシリアスなトーンに代わってきます。特にドイツの歴史教育は本当に徹底していて、さしものマイケル・ムーアも思わず絶句。日本人の多くが、ここまで自国の歴史を直視することはまずないのではないでしょうか。
各国を訪問しているうちに「アメリカに無いもの」と思ったことの多くが、実はアメリカ発祥であったりアメリカからヒントを得て取り入れたものであることに、ムーアは気づきます。それこそが、この旅で得た最大の成果なのだと僕は受け止めました。
最後に、この作品を観た日本人の多くが感じることと思いますが、何だかんだで日本という国は多くの部分でアメリカに似ているということに気づかされます。それが良いことなのかどうか、今一度自問自答する良い機会なのではないでしょうか。

(終)