『システムインテグレーション崩壊 ~これからSIerはどう生き残ればいいか?』読了

ITベンダーだけでなくユーザ企業のIT部門の方々にも是非読んでいただいたい一冊です。日本のIT業界が幸せになるためにも。

タイトルだけを見るとまるで明日にでもSI業界が無くなってしまうかのように受け取れますが、中を読んでみると全くそんなことは書いてありません。むしろ、さまざまな製品やサービスを組み合わせて顧客の価値を創出するという、本来の意味での「システムインテグレーション」ができるITベンダーこそが今後生き残っていける、という警鐘を込めたタイトルであることが分かります。

ITベンダーが算出する工数をベースとした金額でユーザ企業が発注し、要件定義を実施した後ITベンダーがシステムを開発して納品する、といった従来のSIビジネスにおいては、「ユーザ企業とITベンダーの考え方のギャップ」および「ゴールの不一致、相互不信」といった事象が様々なプロジェクトで起こっています。
このことが、IT業界が「3K(人によっては7Kとも・・・)」と揶揄される要因となっています。当のITベンダーにとってもユーザ企業にとっても、全くうれしくない状況です。

この状況を打開するためには、ITベンダーだけでなくユーザ企業(のIT部門)も変わる必要があります。

私は現在ユーザ企業のIT部門で仕事をしていますから、経営戦略を実現するためにITを使ってどのような施策を講じるのかを常に考えています。まさに本書でいうところの「コンセプト」および「デザイン(全体計画・市場・道筋・体制)」です。これを実現するために、どんなソリューションやテクノロジーを組み合わせれば良いのかを提案してくれることをITベンダーには期待します。

自社製品を押し付けたりエンジニアを派遣する従来のやり方に固執するのではなく、「顧客に価値をもたらすには何がベストか」という観点で、本当の意味でユーザ企業のパートナーとなるのが、これからのITベンダーに求められる役割ではないでしょうか。

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