『売上を伸ばす 適正在庫の定め方・活かし方』読了

「適正在庫を維持するには?」−企業にとって難しい課題ですが、シンプルに考えてみましょう。原理を理解し、しかるべき方法論を用いれば決して困難なことではありません。

同じ著者による適正在庫3部作(「適正在庫の考え方・求め方」「適正在庫のマネジメント」「適正在庫のテクニック」)の出版後に、これらのベースとなった適正在庫理論(APIM)に新たな研究成果を加味した書籍です。
生産管理・在庫管理の担当者だけでなく、経営者や営業担当者など生産活動に直接携わらない人にも理解しやすく、平易な内容となっています。

需要の大幅な変動・仕入先からの納期遅延・品質不良など、現実の世界に起こる様々な「不条理」を前提として安全在庫を考えることが、この理論のベースです。適切な安全在庫に基づく発注計画により、欠品や過剰在庫の軽減が実現できるとされています。

在庫をコントロールすることができれば、欠品による機械損失を減らせるだけでなく営業交渉にも有利に働き、ひいては売上のアップにつながります。タイトルに「売上を伸ばす」とあるのは、このような意味があります。

前述のとおり、素人にも分かりやすく非常に簡潔な内容となっているため、本格的に在庫管理を学ぶにはボリューム的に不足すると思います。本書から最新の適正在庫理論のアウトラインを掴んだ上で、別の書籍等で体系的に学ぶと良いのではないでしょうか。