企業において「原価計算」や「原価管理」は当たり前のように行われている活動と思いがちですが、しっかりと目的を見据えて取り組んでいる会社は意外と少ないのではないでしょうか?原価管理を学んでみたい人の入門書としてもお勧めです。
原価計算と聞くと経理担当者や原価計算担当者だけの仕事であると思いがちです。しかし本来原価計算・原価管理とは、全社をあげて取り組むべき活動であるはずです。
本書がターゲットとしている読者としては、経理担当者・原価管理担当者のみならず、経営者を始めとして設計者・購買担当者・製造担当者・営業担当者・管理部門など、企業のあらゆる関係者を想定しています。
本書がターゲットとしている読者としては、経理担当者・原価管理担当者のみならず、経営者を始めとして設計者・購買担当者・製造担当者・営業担当者・管理部門など、企業のあらゆる関係者を想定しています。
まず最初に「原価管理に関して陥りやすいワナ」として原価管理の失敗事例をあげて、きちんと目的をもって原価計算・原価管理を行うことの重要性に気付かせてくれます。
次に、自社で生産している製品の原価タイプ(組立費が中心/設備償却費が中心/材料費が中心/部品費が中心/開発費が中心)ごとに、効率的な原価計算の具体的な例による解説があります。原価タイプごとに重点的に管理すべきデータを絞ることでメリハリのある管理を行うことがポイントです。
原価管理を行う目的は、企業によって様々でしょう。この目的を見失わないことも重要です。本書では、原価管理を行う目的とそれに対する主な手法を以下のとおり整理しています。
・目標原価を達成する→コストダウン管理
・赤字製品を撲滅する→製品別利益管理
・正式な見積で赤字受注を撲滅する→原価見積
・開発段階からのコストダウン→原価企画
・短期的に利益をあげる→生涯利益管理
・無駄な設備投資をゼロにする→投資回収管理
今一度、自社が「何のために」原価管理を行っているのかを振り返ってみると良いかも知れません