Wモデル勉強会に参加してきました!

TEF(ソフトウェアテスト技術者交流会)東海(TEF東海)とPMI日本支部 中部地域サービス(PMIJ中部)の合同イベントとして、「Wモデル勉強会」が2012年3月11日に開催されました。
(講師:鈴木三紀夫氏
Wモデルとは、従来のVモデルとの対比として語られることの多いソフトウェア開発モデルです。
Vモデルは、開発工程の成果物(アウトプット)が、どのテスト工程のインプットとなるかを示しています。
このVモデルを拡張したものがWモデルです。上流工程からテストの準備(計画や設計)を行うことで、欠陥の混入をプロジェクトの早期段階で防ぐというのが大きな狙いです。
今回はテストエンジニアだけでなくプロジェクトマネージャ職の人も参加ということで、テストに関する基礎知識の無い人向けの講演内容とのことです。
事前に出された宿題(以下)にひととおり目を通していたので、Wモデルに関する最低限の知識を持って臨んだつもりですが、そんな私が個人的にWモデルに最も期待していたのは、

  • プロジェクトのリスクを早期に検出する
  • 仕様の曖昧さを排除し要件の漏れや矛盾を防ぐ

といったことです。
**事前に提示された宿題**
■ Andreas Spillner の論文「The W Model-Strengthening the Bond Between Development and Test」
http://www.stickyminds.com/getfile.asp?ot=xml&id=3572&fn=xdd3572filelistfilename1.pdf
■ソフトウェア品質のホンネ:第18~21回 「Wモデルに関する悩み相談」
http://www.juse-sqip.jp/honne/backnumber_018.html
http://www.juse-sqip.jp/honne/backnumber_019.html
http://www.juse-sqip.jp/honne/backnumber_020.html
http://www.juse-sqip.jp/honne/backnumber_021.html
■SQiPシンポジウム2011:「Wモデルの実践を目指して」
http://www.juse.or.jp/download/software/sqip2011/A1.pdf
■JaSST’12 Tokyo Wモデルで品質向上「Wモデルとは何か」
http://jasst.jp/symposium/jasst12tokyo/report.html#plan4
■にしさんのコンテンツ
http://www.stickyminds.com/getfile.asp?ot=xml&id=3572&fn=xdd3572filelistfilename1.pdf
今回の講演は初心者向けということで、Wモデルの具体的な実践方法までは踏み込みませんでしたが、Wモデルの何たるかを学ぶことで、プロセス改善への気づきが得られたような気がします。
以下、私が印象に残ったお話を紹介します。
Vモデルとの対比
Vモデルにおいては、開発とQAは【対立】するものと捉えられがち(日本ではそうでもない?)ですが、Wモデルでは、開発とQAは車の両輪のように【協調】するものと考えられます。
またWモデルが上手くいった場合のメリットとしては、

  • 開発期間を短縮できる
  • 品質が向上する
  • 手戻り工数が減る(コスト削減)

などがあげられます。
失敗するパターン
新たにWモデルを導入するのは容易なことではありません。導入に失敗しやすいのは以下のパターンだそうです。

  • Wモデルをテストの派生系とと捉える
  • 要件定義や基本設計のレビュー精度向上の手段と捉える
  • 現状の分析を行わずに取り組む
  • ゴールを定義しかつ関係者間で合意を取ることなく無闇に取り組む

特に最後の2つが重要ではないかと考えます。
現状を把握する(AS-IS)
新しいことを始めるのに現状を知ることは重要です。そもそも、Vモデルも実践できていないのに、Wモデルを導入しようとしても上手く行くはずがありません。
まずは、現在の開発やテストのプロセスがどうなっているのか・どんな問題を抱えているのか、を洗い出さなければなりません。
すべてのステークホルダー(経営層、ユーザー部門、システム部門、現場 etc)がWモデルに対してどんな思いを抱いているかも分析する必要がありますね。
改善状況と施策の計画(TO-BE)
問題解決に向けてのゴールを抽出し、ステークホルダー間で共有します。そしてゴールを達成するための手段(プロセス改善や人材教育など)を考えます。
ここでも、改善によりどんな変化が生まれたかをステークホルダー分析を行います。
最後に
この講演を聞いて私が最も強く感じたのは、Wモデルを導入する以前の問題として、今自分や自分が属する組織がどんなプロセスを実施していて、どんな問題を抱えているかを一度洗い出すことがまず第一歩であるということです。
また、プロセス改善には、開発だけでなくテストの知識も不可欠であるということ。特に業務系システムの技術者にはテストに精通した人が少ないように感じます。
テストとは、単に製品の品質を検証するためだけでなく、プロセス改善のためのフィードバックを与えてくれる活動でもあるような気がします。
(終)