身近に感じた「ステークホルダーの期待のマネジメント」

新しい眼鏡を手に入れるまで
唐突ですが、このたび近眼鏡を新調しました。
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古い眼鏡はかれこれ10年以上も前に作ったもので、度も合わなくなっているわフレームもガタが来てるわで日常的に使用するにはちょっと厳しい状態でした。
それでも、普段仕事するときはコンタクトレンズを使用しているのでそれほど支障に感じることはなく、ずっと新調してこなかったのです。
ところが、最近はコンタクトを長時間装着していると目が痛くなることが多く仕事でも眼鏡にせざるを得ない状況が続いたため、今回眼鏡を新調することにしました。
前置きが長くなりましたが、そんなことで休日に車を15分ほど走らせて眼鏡屋さんに行ってきました。
以下、その眼鏡屋に最初に入ってから眼鏡を入手するまでの流れを紹介します。
1)2月4日(土)

  • 眼鏡屋にて「眼鏡を新調したい」ことを伝える。自分の好みのフレームの中から最近お薦めのものを教えてもらったりして、フレームを決定。
  • 普段仕事ではコンタクトのことが多く、眼鏡は帰宅後か休日しか使わないことを伝える。
  • 検眼、目の検査等を行う。
  • レンズの種類を選ぶ。今回は軽さ重視でプラスチック製のものに決定。
  • 出来上がりが2月11日(土)であることを伝えられる。
  • カードで代金を支払った後、店を出る。

2)2月10日(金)

  • 店から自分の携帯に電話があり、「出来上がったレンズが指定のものよりも小さく約束の11日にはお渡しできなくなった」「渡せるのは最短で2月14日(火)になってしまう」の2点の連絡があった。
  • すぐに無くても困ることはないので、それで問題は無いことを店側には伝えた。

3)2月18日(土)

  • 平日は店に取りに行くのは無理なので、結局当初の予定より1週間遅れで新しい眼鏡が手に入った。

当初の期日(2/11)に入手できなかったのは残念でしたが、私は特に腹も立つことなく商品を受け取り、今まさに新しい眼鏡をかけながらこのブログ記事を書いているところです。
プロジェクトマネジメントの観点でふりかえってみる
さて、この一連の事象を「プロジェクトマネジメント」の観点で振り返ってみることにしましょう。
眼鏡を作ることも1つのプロジェクトと言えます。
なぜなら、「検眼してその人の目にあった度数を決める」「その度数でレンズを新しく作る」「フレームをその人の顔に合わせて調整する」「納期がある(今回のケースでは2/11)」といった特徴を考えると、プロジェクトの定義である

  • まだ存在しない独自の製品・サービスを創りだす
  • 有期性がある

を満たすからです。
今回の店側の対応をプロジェクトマネジメント的に紐解いてみると、以下のことが言えます。

  • 出来上がってきたレンズが指定よりも小さいためフレームにはめることができないという品質上の問題が発覚した。
  • 期日(2/11)に間に合わないと判断し、顧客である私に納期延長の交渉をした。

つまり、プロジェクトマネジメントの要素のうち、品質(Quality)を満たせないことが分かった時点で、すかさず納期(Delivery)の延長を申し出てきたということです。
これは現実のプロジェクトでも良く見られる光景です。ちなみに、いわゆるQCDの残る一つは言うまでもなく「コスト(Cost)」ですね。
さて、上述のとおり結果的に納期が遅れたにも関わらず、私は特に腹も立たず店側にクレームを言うこともありませんでした。
性格的なこともあるでしょうが(´∀`*)、これこそが店側による「ステークホルダーの期待のマネジメント」であると言えます。
今回、「顧客」という「ステークホルダー」である私が最初に言った「普段仕事ではコンタクトレンズを使用している」という言葉と、10年以上古い眼鏡で我慢してきたという事実から、『この客は多少納期が遅れても文句は言わない』と判断したはずです。
その顧客が「店の提供する製品・サービスに対して何を期待しているのか」「何を最も重視し、何を重視しないのか」ということを、把握できていた上での判断と思われます。これがプロジェクトマネジメントでいうところの「ステークホルダーの期待のマネジメント」です。
当然と言えば当然のことですが、私の従事するIT関連のプロジェクトなどでは、以外とこれが分かっていないプロジェクトマネージャーがいるのです。。。(ノ∀`)
例えば、今回のように製品(プログラム)の品質に問題が発覚した場合、納期やスコープの変更を顧客と交渉することもなく、徹夜してでも期日に完成させることを技術者に強いるようなことが、この業界では良く見受けられます。
もちろん、納期最優先のプロジェクトであれば、時には徹夜してでも納期に間に合わせなければならないこともあるでしょう。(まあ、その時点でマネジメントに問題があるのですが・・・)
それ以前に、顧客をはじめとしたステークホルダーが「何を最も重視するか(重視しないか)」をプロマネがしっかり把握しておくき、イザというときに「品質/コスト/納期/スコープ 間でのトレードオフ交渉」を臨めるよう普段からマネジメントしておくことが大切なのではないでしょうか。
**参考図書**

(終)