【DAMA-DMBOKメモ】データ管理概要

「【DAMA-DMBOKメモ】DMBOKガイドの概要」に引き続き、DMBOKガイドの内容を読み解いていきます。(ずいぶん間が空いてしまった・・・)

今回のテーマは、DMBOKガイドの第2章に掲載されている『データ管理概要』です。
まず「データ管理」とは何か?というところですが、DMBOKガイドには以下のとおり定義されています。
『【定義】データと情報資産の価値を獲得し、統制し、保護し、提供し、向上させるために行うポリシー、実践、およびプロジェクトを計画し、実行し、監視する活動。』
この定義によると、企業の経営資産の1つである「情報」の価値を高めるための諸々のルールやプロジェクトを計画・実行・監視する活動を総称して「データ管理」と呼ぶようです。
また、データ管理のミッションとして、DMBOKガイドには次のように記載されています。
『【ミッション】全てのステークホルダーに対するデータの可用性、品質、およびセキュリティに関する要求を満たす。』
この定義やミッションを実現するために目指すべき【ゴール】として、
・ステークホルダーのニーズを把握
・データ資産の整合性・正確性・正当性を獲得・保証
・データと情報の品質を継続的に向上
・プライバシー・機密性の保証
・利用性の向上
といったことがあげられます。
このゴールを更に細分化したものが、以下に示す10個の機能になります。

20110717_dmbok.png

10個の機能ごとに、様々な「活動」が定義されています。活動は4つの「活動区分」に分類されます。

  • 計画活動:開発・統制・運用活動の方向性を決める活動。繰り返し行われることがある。
  • 開発活動:実行プロジェクトの範囲内で行われる、データ成果物を作る活動。
  • 統制活動:日ごろから継続的に行われる監視活動。
  • 運用活動:日ごろから継続的に行われるサービスとサポート活動。

10の機能×4の活動区分をマトリクスにしてみます。こうしてみると、各機能ごとに何をやるのか具体的にイメージできますね。
**活動区分別の各種活動**
dmbok_4action.png
(※DMBOKガイド『2.データ管理概要-2.4.2 活動区分』より転載)
DMBOKガイドでは、機能ごとの概要を俯瞰する目的で以下のようなコンテクスト図が提示されています。
**コンテクスト図のイメージ**
context.png


コンテクスト図によって10個ある機能の特徴を捉える際の基準が明確になります。コンテクスト図にて定義されている各項目の意味は以下のとおりです。
●活動
機能のゴールを達成するための具体的な活動。
例:上述「**活動区分別の各種活動**」を参照。
●サプライヤー
活動のためのインプットの供給に責任を持つ者や組織を指す。
例:経営幹部、データ作成者、外部提供者など
●インプット
各機能にまつわる活動を始める際に必要となるもの。
例:ビジネス戦略、IT関連活動など
●参加者
直接/間接を問わず、また説明責任の有無を問わず、データ管理プロセスに加わる人物を指す。
例:データスチュワード、データ管理者など
●ツール
各機能にまつわる活動を行う際に使用するツール。
例:データモデリングツール、データベース管理システムなど
●主要成果物
それぞれの機能で作成することになっているもの。アウトプット。
例:データ戦略、データベース、データサービスなど
●利用者
データ管理活動により作成された主要成果物から利益を得る人を指す。
例:事務員、経営幹部、顧客など
●測定基準
それぞれの機能で作成することになっている測定可能なものを指す。
例:データ価値の測定基準、データクオーリティ測定基準など
これらの項目は、PMBOKガイドにおける「インプット」「ツールと技法」「アウトプット」に似ています。PMBOKの場合プロセスごとにインプット/ツールと技法/アウトプットを明確にすることで、各プロセスの特徴が同一の尺度で説明できるようになっています。
DMBOKガイドがPMBOKと異なるのは、「サプライヤー」などの役割が記載されている点と、評価のための測定基準が明確に提示されている点でしょうか。
また、DMBOKガイドの特徴としてデータ管理にまつわる「役割」が細かく定義されている点があげられます。
例えば、「データガバナンス評議会」などの組織や「ビジネスデータスチュワード」といった個人など非常に多岐に渡っています。とはいっても、企業や団体によって組織上の事情は異なるでしょうから、これらの役割が配置される本質的な目的を理解することが重要となります。
ここまでで、「データ管理」を細分化した10個の機能が存在することと、それぞれの機能を理解するための「分解の仕方」が分かりました。以降の章では各機能の詳細を掘り下げていくことになります。
(終)


** 参考図書 **