『数学ガール』

巷で話題の『数学ガール』を読んでみました。予想以上に面白く、また読み易かったので、簡単にご紹介したいと思います。

本書の構成
本書は小説部分と数式/証明部分が混在する形で構成されています。大体の流れとしては次のような感じでしょうか。
登場人物達の会話はや常生活の描写⇒数学のテーマ投入⇒数式・証明⇒まとめ
この流れを各章に設定されたテーマごとに繰り返すような構成です。
登場人物
主な登場人物は以下のとおり。(全員同じ高校に通う高校生という設定)
●「僕」:
 この物語の主人公。数学が好きで、一人で数式をいじる
 のが趣味というマニアぶり。
●ミルカさん:
 「僕」の同級生で数学が得意な才女。
 彼女が「僕」にテーマを投げかけるところから物語が始まる。
●テトラちゃん:
 「僕」の後輩で数学に興味がある。妹キャラ。
読み方
物語と数式が混在するという特殊な構成なので、読み方も人それぞれと思います。大別すると大体次の3タイプでしょうか。
(1)物語と数式を同程度の深さで読む。数式は軽くなぞる程度。
(2)物語を中心に読む。数式はオマケ。
(3)紙と鉛筆を片手にガッツリ数式を追う。
ちなみに私は(1)のタイプでした。φ(゚Д゚ )
(出てくる数式を他人に説明しろと言われてもできません・・・あしからず)
あらすじ(?)
この本で「あらすじ」というのもヘンな気がしますが、私が印象に残ったテーマを中心に中身を軽く紹介したいと思います。
■数列
フィボナッチ数列をきっかけに登場人物達が数列について考査します。「実数の数直線上での点の振動」や「複素平面上で点が回転」など、色々な視点で数列を解読していく過程が面白いです。
■連続的な世界、離散的な世界
微分⇔差分、積分⇔和分の対比を通じて、「連続」と「離散」の概念に触れています。
■カタラン数
カタラン数(詳細はコチラ)を解くというテーマですが、「僕」が母関数を使って解こうとしたのに対し、ミルカさんは格子状の地図(?)での道順のパターンに着目するという、全く異なる2つの解法の対比が印象的です。
■ハーモニック・ナンバー
調和級数の発散性に関するテーマと思いきや、「素数の無限性」の証明に繋げてしまうというサプライズな展開が楽しめました。
■テイラー展開とバーゼル問題
三角関数(sin(x)など)を、べき級数という一見全く異なるもので表すというテーマです。(テイラー展開)
ここで微分という「武器」を駆使しています。
ここから、登場人物達がバーゼル問題にチャレンジするという流れですが、非常に劇的な展開で、個人的には本書の中で最も興奮した章でした。数式の方はほとんど理解できていませんが…(∀`*ゞ)
■分割数
「合計n円を支払うために必要なコインの枚数の組み合わせ」を「分割数」と定義し、それを求めるというテーマです。
ここでは、フィボナッチ数やバーゼル問題などこれまでに出てきた定理や解法が登場し、本書のラストを締めくくります。
最後に
本書で出てくる数式ですが、高校数学レベルの知識があれば半分くらいは理解できるのではないでしょうか。
個人的には、数学の知識そのものよりも、「異なった視点で見方を変える」ことや「現在持っている武器(知識)を駆使して問題解決にあたる」という姿勢が日常の仕事や勉強においても重要だということを、登場人物達から学んだような気がします。
あと、「僕」やテトラちゃん対するミルカさんの接し方とみてるとコーチングの勉強にもなります。(ミルカさんは数学だけでなくコーチングのスキルも優れていますね・・・)
最後ですが、『数学ガール』はシリーズものになっていて、本書以外にも『フェルマーの最終定理』『ゲーデルの不完全性定理』『乱択アルゴリズム』が出版されています。
大学では「ゲーデルの不完全性定理」を専攻しておきながら全く理解できないまま卒業してしまったので、何としてもそこまで辿り着いてリベンジしたいと思います!(笑)
(終)


** 参考図書 **