「データを管理する」とは?

■企業経営のための資源
企業の経営のために重要な資源(リソース)として、従来は「人」「モノ」「金」がよく言われてきましたが、今日のような情報化社会においては「情報」も欠かすことのできない資源と考えられています。(例えば、顧客情報、売上情報、人事情報 etc)
一方、「人」であれば人事、「金」であれば財務といったように、従来の3大資源については専門の職種として確立されており企業内においても注意深く管理されてきていました。これに対して「情報」は、その品質如何によって顧客の獲得、競争力の強化、業務の効率化等に活用できることが広く認識されているにも関わらず、それを管理する専門の職種が確立されているとは言えません。
このような背景から、データや情報という重要な資源を管理・統制する必要性が高まっています。
■データ、情報、知識
ここで何気なく「データ」という単語を使いましたが、もともとはラテン語で「事実」を意味する「デイタム(Datum)」の複数形から来ていると言われています。
ここでは、「データ」とは「事実」がテキスト、数値、画像、動画の形をとったものを表すものと定義します。
「データ」が事実を表す「素材」でしかないとすれば、そのデータが生じた背景(場所や時間等)を加味し、ビジネス上の意味に置き換え、形式を整えたものが「情報」であると解釈できます。
この「情報」を分析し、パターンや傾向、関連性、仮説を組み込むことによって「知識」が生み出されます。こうした「知識」を蓄積していくことは、経営上の意識決定や現場の業務改善に活用されることになります。

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データは情報や知識の土台を成すものであり、その品質を高めることがいかに重要かお分かりいただけたでしょうか。
■データのライフサイクル
他の資源と同様、データにもライフサイクルがあります。大まかには次のような感じです。
【生成/収集】→【保存】→【管理】→【利用】→【破棄】
このライフサイクルのうち、ビジネス上の価値を生むのは「利用」段階のみであり、その他の段階はコストやリスクがついてまわることになります。こうしたことも考慮しながら、効率的にデータを活用するための計画策定も重要と言えます。
■データの管理
さて、ここからが本題となります。 (σ・∀・)σ
これまでのIT組織では、IT基盤(インフラ)やアプリケーション・システムといった「仕組み」の部分に焦点を当てて活動してきました。しかし、そのIT基盤やシステムを流れる「データコンテンツ」の構造、意味、品質については十分目が向けられていたとは言えません。
テレビ放送に例えると、TV機器そのものや受信機がインフラで、地デジ放送の番組表やその他の付加価値がアプリケーション、そしてそこに流れるテレビ番組等のコンテンツがデータ、といったところですね。
こんな中、データという資源に関する責任を負う人材育成と、データ管理機能の対象を定義する具体的な動きが活発化しています。
データ管理に関する新たな専門職を、データスチュワードデータ管理専門家と呼び、データ管理に関する知識体系(DMBOK)が生み出されました。
■DAMAとDMBOK
DAMA(Data Management Association)は、データ専門家のために設立された国際的な非営利会員組織で、日本支部も存在します。
このDAMAが策定したデータ管理に関する知識体系ガイドがDMBOK(Data Management Body of Knowledge)と呼ばれるもので、データ管理の入門書的な内容となっています。

DAMA-DMBOK Guide
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■最後に
東日本大震災をきっかけにBCP(事業継続計画)が盛んに叫ばれたり、大手都市銀行の大規模システム障害(これもデータ管理に起因する)がニュースを賑わすなど、企業活動において「データ」を適切に管理することの重要性を痛感させられる出来事を目にすることが多くなってきました。
個人的にも、IT業界に身を置くものとして、これまでのように「システム開発」だけに目を向けるのではなく、顧客の企業活動の価値をより高めるべく「データ資産の運用・管理」といったことも重視していかなければならないと感じました。
そんな中、DMBOKというものが存在することを知り、研究してみることにしました。研究した結果(アウトプット)は、今後このブログの中でも随時紹介していきたいと思います。
(終)


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